いくぞうの宿

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この宿について

海・里・山がコンパクトに収まっている志多留地区は、最高の学びの場です

稲作伝来の地

対馬の北西部にある集落、志多留(したる)地区。対馬グリーン・ブルーツーリズム協会が拠点地域として事務所を構えています。
ここは、対馬の考古学の発展の引き金ともなった志多留貝塚が発見された地域でもあり、縄文時代から人が暮らしていたことが分かっています。三千年以上の集落の歴史があるのです!
この志多留貝塚からは、稲穂の採集に使われたとされる石包丁が出土し、すでに弥生時代の初期には、稲作が行われていたことの証拠になっています。稲作の歴史は、二千年にもわたります。
深い谷が、一年中途切れることなく水を運んできます。「志多留」という地名の由来も、「(水が)したたる」から来ていると言われています。広い山から水を集めてくる深い谷。この地形が運んでくる豊富な水が、まだ灌漑技術が整っていない時代には、田んぼを作るのになくてはならない環境だったのでしょう。
そんな志多留地区周辺には、大陸からの稲作伝来の歴史を思わせる、こんな伝説が残っています。
《あるとき、稲穂をくちばしにくわえた一羽の鶴が川に降り立ち、その稲穂を落としていきました。民は、鶴が運んできたその稲穂を拾って、ここに水田を作りましたとさ》
志多留の隣の集落は「伊奈(いな)」。稲作の「いな」がその由来だということです。「鶴鳴橋」「穂流川」「垂穂橋」…etc.その伝説を伝える地名も随所にみられます。

←志多留地区の航空写真(1993年)
山、川、畑、集落、浜、海…すべてつながっている

田んぼだけではなく、山、川、畑、集落、浜、海…里山を構成するすべての要素が、志多留地区内には揃っています。そして、それらが有機的につながり、人々の暮らしや里山の生きものを支えています。

この地で三千年という時間をかけて育まれ、守られてきた自然と人々の共生の智恵を、伝えていきたいと思っています。

課題先進地域でもある

志多留地区の人口は、現在59名。3人に2人はお年寄り、という超高齢化集落です。かつて500人弱の人が住んでいたというこの集落も、今では空き家が目立ちます。
人口の減少は集落機能の低下を招きます。集落からは子供の声が消え、お祭りなどの伝統行事も1つ、また一つと消えていきました。

 稲作伝来の地とも伝えられ、古くから人々が営みを続けていた集落ですが、若者の流出が後を絶たず、長い間人々や里山の生物を育んできた水田や畑も、今やほとんどが放棄されています

←耕作放棄地が広がる志多留の谷
一年中水が切れることなく、稲作伝来の地を誇る志多留の谷も、見る影もありません。

志多留はその昔、「学者村」とも呼ばれていました。就学率がとても高く、子どもに熱心に勉強させる地域でした。今志多留に住んでいるお年寄りたちの中にも、校長先生をされていた方がたくさんおられます。稲作が盛んだった志多留は、豊かに暮らせた場所だったのでしょう。豊かだったからこそ、勉強をさせてあげられた。その結果、子どもたちは志多留を、島を離れ、故郷はどんどん過疎化が進んだ。。。なんだかとても皮肉ですね。豊かな土地に人が残れない、という矛盾を感じます。「志多留」という名前の通り、志を持つ人が、たくさん(地方に)留まることができる社会になればいいな、といつも思います。

昔から水田や木庭作(焼き畑)が盛んだった志多留は、対馬を代表する里山のいきもの、ツシマヤマネコの生息密度も高い地域です。九州大学や琉球大学のヤマネコ研究グループの調査地としても長年利用されており、生態研究に貢献しています。しかしこのまま水田が消失し、土地が乾燥化していったら、今のような高い密度を保つことは難しいと考えられています。

三千年の集落の歴史。二千年の稲作の歴史。その中ではぐくまれてきた自然との共生の智恵、結果としてそこにすまう生きものたちの息吹。その歴史と智恵が、過疎高齢化の波によって、今、途絶えようとしているのです。

「学びによる交流」を

子どもも、子どもを産む世代の夫婦もいない志多留では、この先自然と人が増えることはありえません。集落を存続させ、歴史を繋ぐためには、外から人を呼び込むしかない。ではこの地区で人を集める魅力は何なのだろう。

それは「学び」です。

途切れない水がある、山がある、海がある、田畑が作れる、、、人間が生きていくために必要な資源は、すべて揃っています。だからこそ、縄文という時代から、人が住んでいたのでしょう。自然から恵みを取り出す知恵や技術、その営みの中で育まれてきた里山の生きものたち。これらを学ぶフィールドとして、志多留地区はすべての要素が揃っています。

そんなこんなで、今、志多留地区では「学びによる交流」を盛んに行っています。

・島おこし実践塾
島おこし実践塾
毎年夏に、全国から30名ほどの学生や社会人が集まり、志多留を舞台に、4泊5日の合宿形式で地域づくりを学びます。テーマは、「生物多様性と地域づくり」「有害鳥獣対策」「水産業が抱える課題」など、多岐にわたります。講義の他に、実践活動やグループディスカッション、ヒアリングによる調べ学習などもあり、充実した内容になっています。

周辺の観光スポット

ツシマヤマネコの「福馬くん」に出会える対馬野生生物保護センター

日本在来馬のひとつ「対州馬」に出会える目保呂ダム馬事公園

特定動物生息地保護林であり、天然記念物でもある霊山「御岳(みたけ)」

稲作伝来を伝える「伝承の碑」 日本で最初の水田はこの地にあったかもしれません

そのほかの観光スポット

  • 棹崎公園(日本最北西端の碑)
  • 異国が見える丘展望台から韓国を望む
  • 佐護の田園風景
  • 千俵蒔山
  • 天神多久頭魂神社

この農泊で体験できること

料金

一泊二食 7,800円(税抜)
一泊朝食 5,800円(税抜)
素泊り 5,000円(税抜)

※体験を希望される場合は別途体験料がかかります。
※アルコール代は含まれておりません。

キャンセルについて

  • 宿泊予定日からさかのぼって7日前~3日前:20%
  • 宿泊予定日からさかのぼって2日前~宿泊予定日前日:50%
  • 宿泊予定日当日および無連絡:100%

※旅館やホテルと異なり、受け入れ家庭は、宿泊業を本業としているわけではありません。受け入れる農林漁業者さんは、予約があると、宿泊される皆様のために予定を空けて準備を行っておりますので、キャンセルの場合は、キャンセル料をいただくようにしております。その旨ご理解いただきますよう、お願いいたします。

ただし、悪天候による航路・空路の欠航、および欠航が予想される場合においては、この限りではございません。(ただし15時以降のご連絡の場合、夕食を準備してしまっておりますので、食材費として50%のキャンセル料をいただいております)

その他、農泊に宿泊する際のご注意については、こちらをご参照ください。

アクセス

・お車でのアクセス: 厳原港から1時間30分。対馬空港から1時間10分。比田勝港から45分。

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