2016年12月22日 暮らしの体験記 , 里の体験記
[若者シリーズ③]芋掘りと子育て
11月某日、幼児・小学生とその家族を対象にした芋掘りに参加してきました。
天気は良好。女連(うなつら)地区で、民泊「夕陽の宿」を営む市山さん夫妻にお世話になります。
午前10時の集合時間に合わせて、ぞくぞくと幼稚園児・小学生とその保護者がやってきます。僕は受付をしていましたが、飛び入り参加の方も含めて、なんと30名以上が集まりました。いやあ、びっくりです。なんでも小学校でチラシを配ったのが効いたとか。
10時になったところで市山さんの畑に向かい、家族単位で芋を掘ります。
子供たちの表情はまちまちです。きゃっきゃっと言いながら嬉しそうに芋を掘る子もいれば、緊張の面持ちで挑んでいる子も…
僕は芋掘りよりも写真撮影に夢中になり、ひたすら芋を掘る皆さんの勇姿を撮っていました。なんだか懐かしい光景です。我ながら歳をとったもんだ…
子供たちが芋を掘っている一方、地元のおっちゃん・おばちゃんが焼き芋の準備をしてくれています。おっちゃんがばちばちと炭を燃やし、おばちゃんが芋をアルミホイルで包む光景は、なんともほっこりするもの。少し前に収穫して、天日干しした芋を使うことで、甘みのある焼き芋になるようです。早く食べたい。
芋掘りの方も順調のようで、1列、2列とどんどん進んでいきます。さっきまで緊張顔だった子にも笑顔が見られ、お父さん・お母さんたちも楽しんでいる様子。「見て見て、こんなに大きいの獲れたよ」「おお、すごいすごい」なんて親子の会話は聞いているだけでも幸せになります。きっと親もうれしいはず、まさに現代版の孝行芋です。
「家族でのコミュニケーションが減っているであろう都会の人たちに、この光景を見せつけてやりたい」などと生意気なことを考えつつ、僕も芋を掘ってみます。うん、久しぶり。小学校の遠足で掘ったとき以来の感触です。いやあ、悪くない。
さあ、どんどん掘るぞ!と思っていましたが、ほとんど終わりに近づいていたようです。もう少し早くからやっておくべきだった…。
そんなこんなで芋掘りは終了。カゴの中にわんさか積まれたお芋さん。袋いっぱいに詰めて持って帰って良いそうです。さらにさらに、隣の畑で大根を掘って、そちらもお土産として貰えることに。ジャパネットタカタもびっくりの大サービスです。
さて、お待ちかねのランチタイム。焼いた芋、焼いた魚に加えて、じっくり煮込んだ市山さんカレーをいただきます。感想は…もはや言うまでもないでしょう。青空の下でこんなに美味しい昼ご飯を食べることができるなんて。都会では考えられない経験です。
僕は今回の芋掘りをしているときに、ふと自分が小さかった頃の光景を思い出しました。自分の力で芋を掘ったり、畑の中でカレーライスを食べたり…15年も前のことですが、体を動かして体験したこと、感動したことは、いくつになっても記憶の片隅に残っているものです。
もし、自分に子供ができたなら、是非とも同じような経験をさせてあげたいと思います。こんな発想に至るのも経験あってこそだと考えると、幼少期に体験型の学習をするのは後の人生において大きな意味を持つのだと言えるかもしれません。
また今回のように、普段は違う小学校に通っている友達と交流ができるというのも、こうしたイベントの魅力だと言えるでしょう。普段は話さない人と話すことだって、子供にとっては立派な学習です。学校では学ぶことのできない非日常を体験できるチャンスを作っていくことも、ある意味での大人の責任かもしれません。
そんなことを22歳という大人になりたての若造が申し上げるのは、なんともおこがましいものでございますね。それではこれにて。