2016年12月22日 山の体験記
[若者シリーズ④]しいたけハンターに弟子入り
対馬のしいたけは、農林水産物のトップ、栄えある天皇杯を受賞したこともある一級品。
対馬はシベリア気団からの冷たく乾燥した風が吹き付ける影響で、しいたけの栽培に適した環境だとかなんとか…
そんな対馬のしいたけ、11月からが収穫シーズン!
今回は、対馬市上県町の志多留におられます、しいたけハンター豊田さんと、一狩り行って参りました。
さて、軽トラックに揺られながら山道を進んでいくと、杉の木が整然と並ぶ林の一角に、豊田さんのしいたけゾーンがご登場。
まずは生えているしいたけを採りまくる。
どんどこどんどこ採りまくる。
どんこをとことん採りまくる。
カゴの中にどんどん積もるしいたけの山は、見ていて気持ちが良いもの。
ひとしきり採り終えたところで、こんどはホダ木をひっくり返し、トントンとハンマーで叩いていく作業に移ります。
なんでも振動を与えることで、しいたけの種菌がホダ木全体に行き渡るとか。
周囲にコツコツと小気味良い音が響く様子は、なんとも心が穏やかになるものでした。
さて、作業を終えたら豊田さん宅に向かい、しいたけさん達を食べる準備にかかります。
塩胡椒を振りかけて、グリルの中にいってらっしゃい。
受け皿に水を入れて中火で焼いてみると、汁気が多かったようで、なんともプリプリした焼き?蒸し?しいたけに。
満足の味だか、イメージしていたものとは少し違う。
気を取り直し、今度は設定を強にして再チャレンジ。
中火の時と、明らかに音が違う。
ジュージューと音を立てて焼かれるしいたけから目が、いや耳が離せない。
待つこと数分、自動設定にしていたグリルから「出来ましたよ、食べてください」という合図が鳴り響く。
扉を開けると、ぶわっと立ち昇る湯気と香り。
思わず目をつぶってしまったが、見なくてもわかる、これは美味い。
目を開くとそこには、表面がこんがりしていて先程よりも香ばしそうな焼きしいたけが。
お箸でつまんで、いざ実食!
噛み締めた瞬間にほとばしる旨味、とてつもないジューシーさが口一杯に広がる。
「うまい」という言葉は、この焼きしいたけのために生まれてきたに違いない。
表面がカリッとしていることで、「旨味凝縮効果」が作用しているようだ。
噛めば噛むほど味が出てくるので、余分な調味料は必要なし!
これ、七輪で焼いたらもっと美味しいんだろうなぁ…
(豊田さん宅に七輪はありましたが、僕が火を起こせず、断念することに…)
自分達で採ってきたものを、自分達で調理して、自分達で食べる。
ただのお客さんとしてではなく、対馬で暮らす者としての生活を体験できることが、民泊の最大の魅力だということを心から感じた瞬間であったとさ。
ちゃんちゃん。